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働くって

働くって?

働くとは、何でしょう。

「無業」と呼ばれる、職に就いていない人がいます。(大辞林)

「NEET」と呼ばれる、学校にも行かず、就職しようともせず、職業訓練も受けない若者がいます。(大辞林)

「7・5・3現象」と紹介される、新社会人の離職率の高さがあります。(H21年3月卒業3年後の離職率「中卒64.2%、高卒35.7%、大卒28.8%」厚生労働省)

「天職」という、離職を選択する若者の口にあがるキーワードがあります。

「過労死(death from overwork)」という、日本人の特長として外国向けのガイドブックで紹介される単語があります。

日本の就労環境を、海外と比較し、批判する意見があります。

貧困の連鎖から抜け出せず、路上生活を余儀なくされている人々がいます。(2012年東京都2134人※ネットカフェ難民などは「住居不安定者」と区別※厚生労働省)

「やりたいことをやりなさい」という公の発言と、「文句を言わず、まず働け」という就労支援者の本音があります。

働くって、何でしょう。

「仕事って、何のためにするの?」

と聞かれれば、2013.7.14時点の私は「抗・孤立化!」と答えます。

理由をご説明させていただく前に、前提(私の立場と意図)を提示させていただきます。

① 仕事の都合上、対象が未就労者(青少年)であり、同時に、自立後に大人の支援を受け辛い人が多い。

② 仕事の都合上、「働け」という命令ではなく、「就労しなかった場合どうなるか」をイメージさせる助言がしたい。

③ 私の価値観は、「仕事をしない」生き方も認めている。

いまは、働かなくても生きていける「セーフティーネット」が整備されています。一番の最たるものは「生活保護」です。

同時に、生活保護を受給せず、食事の配給も拒否し、セーフティーネットの目から逃れるように不安定な夜を過ごす「住まいのない人たち」がいます。

彼らは「ホームレス」と銘打たれるのを嫌がります。就労意欲はありますが、寝る場所がなく、風呂に入り衣類を整えるお金もなく、就職活動をする準備がありません。彼らを、自立の非常口であるセーフティーネットから遠のかせる理由は何なのか。「恥」またはプライドです。

彼らの多くは、もともと普通に働いていたそうです。それぞれが、不当な扱いを受けたと感じたり、キャリアアップを目指したりして、退職したのち、結果的に、「貧困」に陥ってしまいました。一度貧困に陥ると、そこから這い上がるのは並大抵のことではありません。安眠できる場所を求め、親しい人にすがりたいが恥ずかしく、時間は持てあます。相当な気力が求められると想像することは難しくありません。

アメリカに活動の幅を広げたマザー・テレサに、ある人が「なぜこんな大都市に来たのです?」と聞くと、「貧困は世界中にあります」と答えたそうです。ちなみに、東京にも「(マザーテレサが創設した)神の愛の宣教者会」があります。彼女のいう貧困は「心の貧困」です。インドの路上で行き倒れた人にマザーテレサがした支援は「愛を注ぐ」こと。死を待つ人を、ただ丁寧に扱った(この表現が適切かは、自信がありません)だけです。

ピーター・ドラッカーは、現代における「働く」ことを「自己実現の手段」と言いました。

私は、青少年と仕事について会話していると、よく「やりたいことをやるべきだよ」と言われます。あと「TVに出る人になりたい」ともよく聞きます。「何をして? 歌? 演技? お笑い?」と聞き返すと「決めてない」と大体言われます。

「甘い」と頭ごなしに説教をしたくはありません。やりたいことをやる。それは決して悪いことではない。でも、何か本質から外れているような気がします。働いている人が、働いていない人に伝えるべきコトから、大きく外れている気がするのです。「夢は適う」「夢を信じて頑張って」そんな、言われて嬉しいフレーズが、メディアに露出する有名人から発せられるのをよく目にします。ああいう風になりたい、と私も思います。華やかな感じ。皆に尊敬されている感じ。「僕はこれを仕事にしたい」未就労者はそうイメージをしませんか。学生は、仕事=夢と理解していないでしょうか。大辞泉で調べてみると、夢とは「将来実現させたいと思っている事柄」で、仕事は「何かを作り出す、または、成し遂げるための行動」。目標と手段なのです。これはイコールで扱われる事柄ではなく、あくまでも連結して語られるべきです。

そんな彼らに伝えたいのは、働くのは「孤立しないためにする営み」です。夢を愚直に目指し、華やかさに当て嵌まらない正社員を避け、フリーターを選ぶ子どもたちがいます。時給計算で働き、退職すれば無給になり、国民健康保険の支払いをたまに忘れたりして、社会人が共有している「当たり前の環境」から省かれている若者がいます。仕事ってもっと、就いていて当たり前な、環境にして当たり前な「アスファルトの地面」みたいなものだと思います。もっと気軽に始めて、覚悟もなくその上に立って夢を見上げて、それから実現のための青写真を描けばいいような、気がします。だって、社会人になると、こんなにも「働いていること」が当たり前なんだって、そんな社会なんだって、驚いたので。以前メールアドレスを「social-pass」に設定したことがあります。働くことって、この社会で生活する許可証なんだなあ、と思ったことがあったのです。

全く想定外な内容になりました。私はまだ、明確な答えを持っていないのででしょう。でも書くことで、一杯詰め込んだものが少し整理ができました。一生取り組むクエッションだと思います。もしご意見があればぜひ、お寄せください。または、身近に若者がいれば、ぜひ、説教ではなく生の声を伝えてあげてください。(T)

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今回の要点について、正確で詳細な情報を得られたい方は、どうぞ下記の書籍をご高覧ください。

<仕事に対する肩の力を抜いてくれる本です。仕事を計画的に、というよりは、試して試して、成功に見つけてもらう・・・みたいなことを言ってます>

<若年ホームレスの現状・声・経緯を集めた本です。貧困を身近に感じます>

<マザーテレサのドキュメンタリー映画です。TSUTAYAでレンタルもできます! ぜひ一度、見て下さい。私が見たのは、コレじゃなかったかもしれません>

<ドラッカー経営学を、一ページずつに分解して紹介している本です。この図解雑学シリーズは、つまみ食いできるのが良いところです>


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